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ジョナサン・キャロル「パニックの手」

これはジョナサン・キャロルの短編集。
11篇の短編が収められています。

なかなか良かったですね。
もしかしたら、私はキャロルの長篇よりも短編のほうが好きかも。
とにかく読みやすかったです。

特に好きな作品は、
10頁たらずの短いものなんですが「秋物コレクション」、
それと表題作の「パニックの手」かな。
「秋物コレクション」は末期癌におかされて、
余命がもうあまりないと知った男の物語。
「パニックの手」は、
妖艶で饒舌な女と吃音癖のある娘という母子と
2等客車で乗り合わせた男の物語です。

「おやおや町」「友の最良の人間」なども悪くなかったけど、
どうせならば、これらは長篇仕立てで読みたかったような
そんな気もします。
(2003年3月2日)

 2016_10_08




ジョナサン・キャロル「犬博物館の外で」

ハリー・ラドクリフは天才建築家で、
いわゆる天才肌の人間というか、まあ一口に言うとやな男。
それを自分で自覚しているだけに手におえないというタイプの男です。
無作法、無神経、
二人の女ファニーとクレアとそれぞれと付き合って
それを隠そうともしない。
ついでに言うと、つい最近まで精神を病んで、
ようやく社会復帰しはじめたところ。
そんなハリーの元に、
中東のサルー共和国のスルタンから建築の依頼がやってきます。
それは「犬博物館」を作って欲しいというものでした。

物語はハリーの一人称で語られ、
過去へ現在へと自在に行きつ戻りつして進行していきます。
そして「犬博物館」に関する現在のストーリーの芯になるのが、
精神を病んでいたとき彼の師となって助けてくれた老シャーマン、ヴェナスクと、
ヴェナスクのペットのブルテリア、ビッグ・トップなのです。
と言っても、「犬博物館」の話が出たころは、
すでにヴェナスクは亡くなっていて、
ビッグ・トップはハリーのペットになっていたんですけど。

うん、かなり警戒して(何を?)
ゆっくり読んで行ったのが良かったんでしょうか。
面白かったです。
狂人、魔法、死者、生者の入り乱れたファンタジーという感じでした。
主人公ハリーの
幼児性あふれる天才キャラクターゆえの楽天的な苦悩と疑惑も
すんなり楽しむことが出来ました。
(2002年12月19日)

 2016_10_07




ジョナサン・キャロル「天使の牙から」

白血病で余命幾ばくもない往年のTVスター、
フィンキー・リンキーことワイアット・レナード。
ある日彼は友人ソフィーの失踪した兄を一緒に探して欲しいと頼まれます。
ゲイであるワイアットを快く思っていなかったソフィーの兄ジェシーを探すために、
ただでさえ死が目前だというのに、
病をおしてまでウィーンまで行くなんて……
と消極的ではありましたが、
ソフィーに押し切られてしまったのです。
そのウィーン行き直前、ワイアットは突然「死神」と遭遇します。

アーレン・フォードは、ウィーンで隠遁者のごとく暮している元女優。
かつて誰もが憧れた美人女優で、
ウェーバー監督作品「ワンダフル」で主演して
オスカー候補に上がったあとで引退したのです。
このアーレンがワイアットと平行して語られるもう一つの物語の主人公。
彼女の物語は、その多くを
彼女の親友ローズに宛てた手紙という形が取られてます。
アーロンはウィーンで愛犬と、穏やかに、
またむなしさを感じつつ暮していますが、
ある時、一人のカメラマンと出会い恋に落ち……。
繋がってるようで繋がってないような二人の物語が繋がった時……。

うんうん、
読んでる途中で「空に浮かぶ子供」との関連に気がついたときは、
何だかヤバイ気がしましたが、杞憂でした。
うん、これは面白かったです。
(2002年12月5日)

 2016_10_06




ジョナサン・キャロル「死者の書」

ふふっ。すごく面白かったです。
今までに読んだキャロルの本の中で、一番ストレートに面白かった。
って、これはジョナサン・キャロルの処女作なんですけどね。

実はこの文庫本は、数ヶ月前に手に入れてたんですが、
中々読むふんぎりがつかなかったんですよね。
なんたってキャロルだからな~と思うと、なんだか尻込みしちゃって。
表紙の雰囲気もなんだかイマイチだったというのもありますね。
でも、読んでよかった。

偉大な俳優を父に持つ一介の高校教師トーマス・アビィ。
彼は、幼い頃から敬愛していた
今は亡き天才作家マーシャル・フランスの伝記を書こうと思い立ち、
彼がその死まで暮していた町ゲイレンへやってきます。
マーシャル・フランスの初版本を巡って知り合い、
愛し合うようになったサクソニーと共に。
フランスを知る編集者は、
フランスの娘アンナが父の伝記については否定的で、
しかも魔女じみた奇行を見せると言っていたのですが、
二人を迎えたアンナはとても友好的な態度で、
二人はいささか困惑します。
が、困惑する出来事は、アンナの行動だけでなく、
ゲイレンの町の人たちすべてだったのでした。
長く逗留するつもりで、ある家の一部屋を借りたアビィは、
ある朝、奇妙な事故を目撃します。
アイスクリームを片手に歩いていた少年が小型トラックに轢かれたのですが、
町の人たちの反応は
「こんなはずはねえんだ。わかっちゃいたが」
「あんたじゃないはずなのに」という不可思議なもの。
極めつけは、目撃者のアビィに対して発せられた
「あの男の子ははねられる前は笑ってましたか」というもの。
不可思議なアンナの態度、不可思議な町の人達の態度。
次第にアビィはその渦の中に巻き込まれていき……。

まず、何と言っても、
亡き天才作家「マーシャル・フランス」と
アビィとの関係がすごくいいんですよね。
マーシャル・フランスがいかに天才かが、
ただ本の中で「そうである」というだけに終らない魅力があったと思うんです。
架空の偉大な人物と言えば、アビィの父もそう。
アビィが押しつぶされそうになっている有名な映画スターの威光が
これまたきっちり描かれてます。

キャロルの作品でいつも私がめげてしまう恋愛についても、
比較的あっさりしてて読みやすかったような……。

途中からめちゃめちゃ不穏な成り行きになってきて、
これがクーンツの作品なら絶対にハッピーエンドだから
安心してスリルを楽しめるんだけど、キャロルの作品だからなぁ
と一時も安心できなくて、
も~めちゃめちゃ怖かったですね。えへへ。
(2002年11月26日)

 2016_10_05




ジョナサン・キャロル「我らが影の声」

これは、今まで読んだ中では一番面白かったかも。

第一章の少年時代の兄に対する畏敬の念は、
なんかすっごく解るぅ~という感じ。
まあわたし自身はそんな兄は持ってないですが。(兄自体はいる)
第二章以降の、
大人になった主人公の不思議な三角関係と、その後の展開も、
私の理解の内にあったのが、
結末でうひゃ~~と、どびっくり。
こういう方面から来られるとは……と言う感じで、
すっかりやられてしまいました。
にしても、登場人物に魅力ないな~。
特にインディア、ヤナ女だわ。

実はボビー・ハンリーが
兄貴の墓参りしてんのかってなじるシーンが一番好きだったりして。
(2001年5月4日)


ジョナサン・キャロル「月の骨」

楽しんで読めた一冊でした。
割と素直に。

この世で一番すてきな旦那さまダニーと二人の大切な赤ちゃんメイ。
親友のエリオット。
満ち足りた暮らしを送っているカレンは、変な夢をしょっちゅう見ていた。
ロンデュア、それが夢の世界の名前で、
そこは言葉をしゃぺる巨大な動物たちと息子のペプシがいる。
カレンとペプシはロンデュアで五つの月の骨を探しているのだ。
少しずつ夢と現実が交わって行く中で……。

ファンタジックな作品でびっくり。
今迄わたしが読んでたキャロルの作品って、
確かにファッタジックな面もあったけど、
ラストに必ずと言って言い程主人公の自己嫌悪を誘うように傷をえぐる…
という作りだったから。
夢の世界に最初なじめなくて、ちょっと途方に暮れたりしたけど、
気がついたらすっかり入り込んでた。
私の好みではもう少し夢の部分を、
特にペプシとの親子関係を書き込んでくれると嬉しかったけど、
多分その辺もキャロルなんだろうな~、と。
でも、ラストのびっくり展開についていけずにボーゼンとする
というような事はなかったですね。

夢と現実を受け止めてくれるエリオットの存在がよかったな~~。
あんな友達いたらいいなぁ。
(2001年6月4日)

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