カズオ・イシグロ「女たちの遠い夏」
これは凄いです。好きかも。
前半はね、
わ~、ヤな女しか登場しないの?って思ってたんですが、
気がつくとすっかり引き込まれてました。
今、何度か感想を書き直して見たんだけど、
どうも上手く書けないみたい。
あらすじは抜きにして直接思った事だけを書きますね。
ヒロインである悦子と、
かつて日本に住んでいた頃に出会った佐和子という女性。
この別々の人生を生きる二人の女がいつしかシンクロして見える辺り、
ゾクッとするほどの凄さがありました。
でね、
も一つ鳥肌ものの凄さは、
悦子の苦い後悔や悲しみについて、甘い許しを与えてない所。
批判すらしていないというこの客観性、
これがカズオ・イシグロなのかぁって溜息ものでした。
そうそう、カズオ・イシグロの視点って、
日英の狭間にあるというよりは
どちらかといえばイギリス人としてのそれって感じがしました。
日本の描写に違和感があるって意味では無いんですが、
イギリスでの悦子と娘ニキのエピソードにそういう感じを受けました。
(読了日不明)
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