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ダイアナ・ウィン・ジョーンズ「ダークホルムの闇の君」



ダイアナ・ウィン・ジョーンズ「ダークホルムの闇の君」
創元推理文庫

この作品は、「ダークホルム二部作」の第一弾なのだそうです。
と、言ってもこれはこれできっちり完結しますのでご安心を。
舞台になるダークホルムは、
当たり前のように魔術師がいて、騎士がいて、
エルフやドワーフや龍などがいるという世界です。
中世ヨーロッパをベースにしたような雰囲気はファンタジーではおなじみですね。
あと魔術師や詩人(吟遊詩人ってやつね)などが徒弟制度じゃなくて、
大学で養成されるといった、
妙にシステム化された世界なのはDWJっぽいです。

さて、物語は
その魔術師を養成する大学の一室で行われている「緊急事態委員会」での
喧喧諤諤の会議のシーンから始まります。
その議題は、ダークホルムを蝕む「チェズニー氏の巡礼観光会」について、
今年はどうしよう……
というもの。

ダークホルムでは40年前から毎年、
ダークホルムとは別の世界の資本家チェズニー氏の観光会に悩まされてきました。
それは強い力を持った魔物に守られた契約で、
むこうの世界から「巡礼団」が大挙して
ダークホルムにやってくるのを迎えるというもの。
単に異世界を観光して回る人々を熱烈歓迎!すればいい
のではないのがまた困ったところで、
この巡礼団はダークホルムのすみずみを旅し、
魔術師に先導されながら、
予言者や吟遊詩人、悪い王様や盗賊、魔物などに出会い、
様々な危難に遭遇したのち、
遂には悪の化身・闇の君を倒して、
大満足でむこうの世界へ帰還する…という筋立てなんです。
ダークホルムの人々は、このシナリオ通りに進行させなくてはならないの。
巡礼団の時期になると、ほとんどすべての人が通常生活を送れなくなって、
非常に迷惑なだけでなく、
巡礼団の人間たちは往々にして町を破壊し動物や人まで殺すので、
プライドはボロボロ、町は財政困難に陥る……という訳です。
魔術師大学総長のケリーダの元には、
怒り心頭の人々からの苦情や嘆願書が山ほど舞い込んで来ています。

そして、この会議の席で、
ケリーダは「巡礼観光会を終わらせる」と宣言しますが、
その方法は思いつきません。
とりあえず今年の「闇の君」を神託によって選出することにする一同。
ところがこの神託によって選ばれたのは、
動物に関する魔法はピカイチだけど、
それ以外は…というちょっと…いや、かなりの変人で有名なダーク魔術師だったのです。

「闇の君」は、巡礼団にとっての悪の化身、
ラスボスとしての存在だけではなく、
この企画の総責任者でもある上に、
今回はなんとかしてこのばかげた観光会をやめさせるという悲願があるのに、
ダークが闇の君で大丈夫なんだろうか、
と暗澹たる気持に襲われる一同でした。
暗澹たる気持に襲われたのはダークも同様。
とはいえ神託には逆らえません。
かくして妻、一男一女五グリフィンの彼の家族と、
彼が所有する多くの動物たちを巻き込んで、
ドタバタと物語がスタートするのでした。

面白かったです♪ 
語り口が軽くて、ドタバタいっぱいの
コメディタッチで物語は進行するんですが、
そこはDWJのこと。
辛口でヘビーなテーマが横たわっております。
それにしても家族の中のグリフィンたちのキュートだったこと。
彼らは、「家族同様」ではなくて、
実際に「家族」なんです。
ダークが様々な動物と自分たち夫婦の遺伝子を使って作り出したものだから。
と、言っても、
心から愛し合ってる家族なんですよ。
このダークさんちの、
人間、グリフィン、
そしてダークが一味加えたさまざまな動物たちが
織り成す家族愛がまたいいんですよ。
大怪我から復活したダークに集まってくるダークさんちの豚たち、
もうあそこでキューンとしたっきり、
戻って来れませんでした。
思春期を迎えた子供たち(人間もグリフィンも)の成長の
様々な揺らぎや痛みも読ませてくれます。

巡礼団についてですが、
これって、私達が楽しんでるRPGを揶揄してるようにも思えたりしました。
冒険を楽しんでるパーティの陰には
こういうしんどい異世界の人々のご苦労が、
と思うと、
旅の途中で出会う町の人達やモンスターに無体なことは出来ませんね。
って、違うか?
(2002年10月31日)
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