マーガレット・トレイシー「切り裂き魔の森」
角川文庫
森の中の、借家とは言え居心地のいい素敵な我が家。
愛する二人の子どもたちと、優しく頼もしい夫。
ホワイト夫人の生活は平凡だけども満ち足りています。
近くで起こっている主婦の連続殺人事件すらも、
遠いよその凶事だと思ってしまうぐらいに。
しかし、ある日、
ホワイト夫人は恐るべき秘密を知ってしまいます。
愛する夫が連続殺人の犯人であるという。
うん、なかなか面白かったです。
心理サスペンスなんですが、
被害者でも犯人でもなく、その妻の心理を追うというサスペンス。
やぼったいほどに平凡で、
家庭があってこその自分というホワイト夫人の心理の揺れと
次第に早くなる心臓の鼓動が聞こえるような作品でした。
(2002年8月29日)
作者マーガレット・トレイシーは、
アメリカの作家。
名前からすると女性のようですが、
実はアンドリュー・クラヴァンと弟の合作の名義みたい。
アンドリュー・クラガンが本名らしいんですが、
他にキース・ピータースンという名前でも作品を出してるとか。
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