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テッサ・デ ロー「アンナとロッテ」



テッサ・デ ロー「アンナとロッテ」
日本テレビ放送網

ベルギーのスパに保養に来ていたロッテは、
そこでドイツ女のアンナと出会った。
過去二つの世界大戦の戦死者の石碑がたっている
ここでドイツ女と出会うとは。
しかし、
アンナがロッテの生き別れた双子の姉だとしって、ロッテは困惑する。
なつかしげに、うれしげに語りかけ、
とうとうと過去の話をはじめるアンナ。
ずっとオランダ人として生きてきたロッテには、
困惑するとともにそのアンナの言葉に苛立ちと嫌悪を感じるが……。

アンナとロッテは双子の姉妹だったが、
両親の死後、
アンナはドイツの貧しい農村のおじの家に引き取られ、
ロッテはオランダの裕福な親戚の家庭に引き取られた。
貧しい農村で過酷な労働を強いられて育つアンナは、
別れてから一度も連絡のないロッテを
病気で死んでしまったのかもしれないと思い込む。
しかし、実はロッテからの手紙は
いじのわるい叔母の手によって握りつぶされていたのだった。
ロッテも、何度手紙を書いても返事の無いアンナのことを、
ドイツの田舎で育ったために
野蛮人に成り下がってしまったのだと自分を納得させていた。
やがてドイツにアドルフ・ヒトラーという男が現われ、
そしてヨーロッパを、世界を戦争の渦が巻き込んでいった。
ドイツで家政婦として働くアンナにとって、
ヒトラーなど信頼の置ける人物だと思ったこともなかったが、
だからといってヒトラーがこの戦争で何をしたのかを知ることもなかったし、
それについて糾弾することもなかった。
ただ生きていくのに精一杯だった。
オランダのロッテは、ユダヤ人の恋人を収容所に奪われ、
その後もユダヤ人を匿いながら過してきた。
ロッテにとってドイツは憎むべき敵国そのものだった。

オランダの作家による、
数奇な運命と戦争によって翻弄された双子を描いた物語。
映画化もされたそうです。
というか、日テレから出版されているところを見ると、
その「映画の原作」として
日本で出版という運びになったということでしょうか?

なかなか日本人にとっては、
余計に考えさせられるところの多い、切ない作品ですね。
ナチス・ドイツへの憎しみの未だ色あせないロッテにとって、
幼い時に別れた実の姉とはいえ、アンナはドイツ女。
アンナが双子が別れて以来どんな生活を送ってきたのか、
どんな戦争体験をしたのかを語っても、
ロッテには「ドイツで生活していたひとりの女性」の体験としてではなく、
ドイツ人のいいわけ、と言う風にしか受け取れないんです。
いえ、時にしみじみと姉の辛さを思いやったり、
彼女の強さに感動を覚えたりするのだけど、
個人として共感することで
ドイツへの批判や恨みが鈍ると強く思ってるようで……。
切ないですよね。
たしかにアンナの話はロッテでなくても
イライラさせられるようなところがあります。
話が、というのではなく、
その話し振りというべきでしょうか。
でも、それは読者の本当の気持なんだろうか?
ロッテの嫌悪感が読者に反映されているのではないだろうか?
と思わずには居られません。

辛いなぁと思うのが、
「私たちは(ナチス・ドイツがどんな事をしていたのか)知らなかった」
というドイツ国民の言葉が、
オランダ人にとって、
そのままあざけりの言葉となっているというところ。
知らなかったが罪なのか、
この問題はとても重たいですね。
うーん、ずしりとした手ごたえのある作品でした。
(2005/7)
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 2016_02_27


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