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シオドア・スタージョン「ヴィーナス・プラスX」



シオドア・スタージョン「ヴィーナス・プラスX」
国書刊行会

「ぼくは火星にいるんだ」
チャーリー・ジョンズは震える声で言った。
冗談めかして口にしたつもりが、惨めなぐらい怯えて聞こえる。

27歳の平凡な青年だったチャーリー・ジョンズは、
ある日突然見知らぬ世界で目を覚ました。
そこは「レダム」という不思議な世界。
高度な文明と清潔な世界。
人々は農業と手工業を守った堅実な生活をしており、
子供たちはその未来ゆえにレダム人から崇拝される。
そして何よりレダムがチャーリーの知っている世界と異なっていたのは、
彼らレダム人が完全な両性具有であることだった。
私たちの文化を評価してほしい、
全てを見終えて評価を下した後は元の世界へ送り返す、
という彼ら。
チャーリーは彼らに導かれるままレダムの世界を見聞きしていくが……。

ふむ……。
面白かった、
けど何やらスタージョンにいいようにからかわれただけのような
不思議な気持が残るのは何だろう?
チャーリー・ジョンズが連れてこられたレダムという不思議な世界。
そこは末来の地球で、ホモ・サピエンスはすでに絶滅しているという。
そして、レダム人は何と両性具有。
そんな世界の物語と、
現代(発表当時の、ね)アメリカの平凡な一家庭の描写が
交互に語られるんだけど、
これが、
全然関係ないようで、妙に呼応してるんですよね。
レダムに連れてこられたばかりで
何もわからなくて混乱しているチャーリーが、
次第にレダムについて知識を得て、
少しずつそこを理想郷のように感じる頃、
現代アメリカでは、
なんだか男の持つ女性観って何だろなぁ
という気持にさせられるような情景が繰り広げられる、などなど。
それぞれのストーリーを茶化してまぜっかえすような感じですかねぇ。

語りたい事を書いちゃうと
中盤以降のストーリーに抵触してしまうので、
語れないのが残念。
いっぱいいっぱいいろんなことを感じて、
むむっとなったり、うへっっと思ったり、した訳です。
しかし、後半あちこち引っ繰り返されて、
ゆっくり展開を驚くひまもないのねぇ。
かくして私の感想は
はじめの方に書いた「ふむ……。」へと戻っていくのでした。

ただ、忘れちゃいけないのが、
これが書かれたのが今を遡ること40年以上ということですよね。
ジェンダー論についてはあまりよく知らないけれど、
そのハシリの頃に発表された作品だと思うと、
それだけで何だかスゴイと思ってしまいます。
時代を激しく感じさせる、というような雰囲気はなくって、
もっと普遍性のある面白さがありますし。

これはスタージョンの傑作長編!というほどスゴイか、
というとちょっと違う気がするんですが、
まあそういう比較を無しにすると、
かなり面白く、楽しんで読める作品でした。
(2005年6月11日)
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