スポンサーサイト

Category: スポンサー広告  

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

 --_--_--


ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア「すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた」



ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア「すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた」
ハヤカワ文庫

メキシコ、ユカタン半島の東海岸キンタナ・ローを舞台にした
三篇の不思議な物語を収めた連作集。
語り手は初老の実験心理学者であるアメリカ人男性で、
彼はキンタナ・ローの長期滞在型の異邦人。

「リリオスの浜に流れついたもの」
水を求めて「私」のもとへやってきたカミナンテ(旅人)は、
マヤ族ではなくグリンゴの青年だった。
「そこにある本物のメープル・シロップのひと匙とひきかえに、
おもしろい物語をしましょうか」
そういって青年は話し始めた。
この北の岬で、海に浮かぶ光る柱を見つけた話を。
その柱にはシルクのドレスを身に纏った美しい黒髪の女性が
しばりつけられていたのだ……。

「水上スキーで永遠をめざした青年」
海岸道路が開通したおかげで、
その自然と、静寂と、海に住む魚やカニの平和は破られた。
しかしその道のおかげで「私」は
自転車にのって小さな入江へ難なく行けるようになった。
そこは魅惑のダイビング天国だった。
ロブスター漁の漁船のマヌエル船長とは友人であった。
不漁だということ、
家族が病気だという話を聞いてしまった「私」は、
彼に小さな入江で目にしたロブスターの事を
教えてやらないわけにはいかなかった。
そしてその礼に、彼は「私」に
コーという名のダイビングの名手だった青年の話をしてくれた。
彼の目の前で去っていった、もう二度と会えない青年の話を。

「デッド・リーフの彼方」
観光客相手のぼったくりまがいのレストランで
「私」は一人の白人男性と知り合う。
彼はどうやら「私」よりもこの土地に馴染んでいるようだった。
観光地としての例にまぬがれずこのマリーナもゴミにまみれている。
そのマリーナを散歩しながら、
「私」が明日、
北のサンゴ礁のはずれデッド・リーフを見にいくつもりだと話すと、
男は何故か
「私」を連れて行ってくれるはずのガイドについて聞いてきた。

生涯けして仲間と認めてもらえないことを知りつつ、
自らキンタナ・ローのマヤ族の人々と
交流を持とうとしている主人公の姿が、
侘しげに浮かび上がってきます。
ちょっとぞわっと背中が寒くなるような不思議を描いた奇譚。
海から吹きつける幻想と淡々とした描写が
なんとも言えない微妙な調和を見せる作品でした。
(2005年5月4日)
スポンサーサイト

 2015_09_14


Comments


 管理者にだけ表示を許可する


08  « 2017_09 »  10

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

プロフィール

Sima

Author:Sima
わたしが超個人的におすすめする児童文学100選
是非コメントください。
よろしくお願いします。

カテゴリ

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

ランキング




PAGE
TOP.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。