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マーガレット・アトウッド「寝盗る女」



マーガレット・アトウッド「寝盗る女」
彩流社

うん、読ませる本でした。

上下巻で、一冊ずつも結構な分量、しかも作者はアトウッド、
となるとこりゃかなりこってりと、
と期待しちゃいましたが、
いやいや堪能させていただきました。

物語はトニーという女性による、
ズィーニアという女性への回想から始まります。
このトニーと、カリスとロズという女性三人が、主役なんですよね。

大学時代からの知り合いの女
ズィーニアと関わることで人生がおかしくなってしまった三人の女たち。
彼女たちに手ひどい痛手を負わせて目の前からするりと消え、
そしてレバノンでテロに巻き込まれて死んだというズィーニア。
この三人プラス一人の濃い物語がこの「寝盗る女」なんです。

寝盗る女、それはズィーニアのこと。
鮮やかに、そしてあっさりと女たちの夫や愛人を奪って、
そしてあっさりと袖にした女。
彼女の葬儀にも出席した三人ですが、
未だその痛みは薄らぐことがないわけ。

寝盗られた事がきっかけで友情をはぐくんだ女たちが、
ある日目にしたのは、死んだはずのズィーニアの姿……。

三人それぞれの体験と視点から描かれるズィーニア像は、
かなりキツイものがありますね。
作中に登場するほぼ9割ぐらいの「ズィーニア」が、
生身の彼女ではなく、
寝盗られ女たちのフィルターを通した「ズィーニア」だから
当たり前なんだけど。

だから、余計に、ズィーニアの生の姿はどうなんだろうと、
スリルたっぷりに読み進めました。

それにしても、アトウッドの筆力は圧巻という感じがしましたねぇ。
はっきり言って、糞みたいなダメ男と、
エキセントリックで実際魅力あんのか?って女しか登場しないのに、
読んでる間全然嫌な感じがしないんだもん。
なんか現実離れした話なのに、妙なリアル感があるし。

三人のそれぞれの話に登場するズィーニアも、
冷静になって読むと、
え~っ、そこまで怖がる女か?ってぐらい、
せこい努力の積み重ねが見え隠れするんですよねぇ。
安い駆け引き、だまされた本人以外にはバレバレな嘘、
ささやかな整形。
しかも寝盗る対象が、これまた安い馬鹿男ばっかり……。
なんで三人の心の底に
ここまでの稀代の悪女として君臨しつづけてられたのか分からないぐらい。
ある意味怖いよ~。妄想っぽくて。

女同士の力関係とかが、あっさりとした筆致ながら、
じわっとにじみ出てるところも旨いな~って思いました。
いやー、面白かったです。
(2003年6月32日)
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