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J・M・クッツェー「敵あるいはフォー」



J・M・クッツェー「敵あるいはフォー」
白水社

ふふふ。
大きな声ではいいたくないですが、面白かったです。

物語は唐突に、
一人の女がどこかの島へ流れ着くところから、
彼女の一人称の語りではじまります。
灼けた砂浜に倒れこんでいた彼女の上にふと差す影。
それは槍を小脇に抱えた黒人の男でした。
人食い人種の住む島へ流れ着いてしまったのかと愕然とするヒロインですが、
その黒人が彼女を連れて行ったのは
クルーソーと名乗るヨーロッパ人の男のもとだったのでした……。

なんだデフォーの「ロビンソン・クルーソー」のパロディか、
と思われるでしょうが、
これがまた面白いんです。

うう、嫌な女~と思いつつ読んで行くと、
意外とあっさりと彼らの元に船がやってきて、
ヨーロッパへ帰ることになります。
しかしその船の中でクルーソーはあっさり死んじゃって、
ヒロインは、
ほとんど言葉を解さないフライディと共に文明社会へ戻ってきます。
そこまでが物語の四分の一。

さて、
「敵あるいはフォー」のフォーは、
もうすでに皆さんお分かりかと思いますが、デフォーのこと。
無人島に流されそこでしばらく文明と隔絶された生活をしていた
という記録を文字に残したいけど、
それを書く文才がないヒロインは、
人の告白を小説にするという作家フォーに、
それを託そうとするんです。

文明社会に戻ったものの、すんなりと適応できないヒロインや、
無人島で黙々と段々畑をつくりつづけたクルーソー、
「舌」を切り取られているフライディなど、
深読みすればさまざまな形でさまざまなモノが投影されてるんでしょうね。
しかも、
それは多分読み手の思想や知識によって、
幾通りも読めるっぽい感じ。

けど、そういう鑑賞をすっとばしても、面白かったです。
にひひと思わずほくそえんでしまうような面白さ。
「ロビンソン・クルーソー」のパロディで面白いといっても、
けして冒険譚のようなものではありません。
(2003年10月15日)
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