ルース・レンデル「石の微笑」
角川文庫
ううっ、つらかった……。
暴力や犯罪、血なまぐさいことが嫌いという青年フィリップ。
ま、
そうそう好きな人もいないんじゃないかと思うけど、
他人にふりかかった突然の死について
興味をちょっとでも持つどころか、
恐れおののいて耳をふさぎたくなってしまうらしい。
表紙裏のあらすじのところには
「ナイーブ」と表現してあったけど。
この青年が、
姉の結婚式で銀色の髪と白い肌の小柄な女ゼンダと出会ってから、
彼の苦悩の日々が始まる。
エキセントリックなゼンダが提案した「愛の証としての行動」とは……。
このフィリップって男がすごくやな感じなの。
何でもかんでも分かったような顔して、
でもそれは口に出さない。
自分以外の人間はみんな欠点だらけで、
それを自分がフォローしてあげなければ、
なんてマジで思ってるようなやな奴。
こんな奴の苦悩なんて、
とてもじゃないけど付き合い切れない。
(2001年3月18日)
ルース・レンデル「地獄の湖」
角川文庫
レンデルの「地獄の湖」の表紙のイラストは一体なんでしょうか?
三白眼が怖すぎ。
サッカーくじで大金を手にしたマーティンはある計画にとりかかった。
しかし、ひとりの女の出現によって、
どんどんあらぬ方向へと進んで行くのだった。
仕組まれた復讐と仕組まれざる惨劇がマーティンに忍び寄る。
面白かった~というほどははまれなかったのは、
主人公のマーティンがつまんない男なのと、
謎めいた女フランチェスカに魅力がないのが理由なのかなぁ。
もう一人の影の主人公、
精神を病んだ母と暮すフィンの存在は面白かったんだけどな。
(2001年7月9日)
この二冊、ずいぶんなことを書いてるようですが、
これでレンデルに飽きたということじゃないんですよね。
もうしばらくレンデル作品続きます。
っていうか、まだまだレンデル続きます。
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