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ピーター・ケアリー「ケリー・ギャングの真実の歴史」



ピーター・ケアリー「ケリー・ギャングの真実の歴史」
早川書房

19世紀イギリス植民地時代のオーストラリア。
オーストラリアの伝説の義賊、
ネッド・ケリー(1854~1880)の生涯を
彼の手記という手法で描いた作品である。

貧しいアイルランド移民の夫婦の長男として誕生したネッド・ケリーは、
幼い頃から貧しさと犯罪者の息子というレッテルの中で育った。
アイルランドで大罪を犯して流刑された過去を持つ父と、
札付きの無法者の家系の母。
ネッドは家族を愛し、父を尊敬していたが、
その父への尊敬がぐらつくようになったのは、
父が女物のドレスを身にまとう服装倒錯者
だと警官から言われたことだった。
ネッドが父の服装倒錯について
その真実を知ることになるのはもっと先の事である。
10歳のネッドの仔牛を盗んで殺した罪をかぶって投獄された父は、
とある出来事が発端で出獄することになるが、
その後すぐに死んでしまう。

父を亡くした一家は、自分たちの土地を求めていた。
やっと手に入れた土地は開拓する価値もないような土地であったが、
ネッドは一家の長男として、
愛する家族のために働き続けた。
しかし、
母の再婚を期に、山賊ハリー・パワーに引き渡されてしまうのだった。

ずっしりした作品で、
物語の中にぐいぐいと引きこまれてしまいました。

ケリー・ギャングって、知らなかったけれど、
オーストラリアではとても有名な人物らしいですね。
なんとなくアメリカのビリー・ザ・キッド
みたいな人物なのかと思って読み始めたのだけれど、
全然違いました。
なんでこういうことになっちゃうんだろう……ってぐらいに、
物事は悪い方へ悪いほうへと進んでいくんだけれど、
「転落」というものではないのね。
ネッドがどうあがいても、
彼の人生のレールは穏やかな方へは敷かれていなくて、
まっすぐ進もうとしてもそこには道がないの。
濡れ衣につぐ濡れ衣。
それは警察だけにかぎらず、
彼の身辺の人々も、ネッドを恐ろしい無法者にしたてていくんです。
ネッド本人は穏やかな生活を望み、
馬を愛する真面目な青年なんだけど。
なんだか、
本人にはなす術もなくどんどん戻れない道へと進むしかなかったというのは、
ロディ・ドイルの「星と呼ばれた少年」を思い出させました。

ネッドがこれほど純粋でなければ、
そして「正義」に幻想ともいえる期待を持っていなければ、
ここまで悲惨な物語にならなかっただろう、それが辛いですね。

オーランド・ブルームがジョー・バーン役をやっている
「ケリー・ザ・ギャング」
というオーストラリアの映画があるらしいですね。
見たい、ような見たくないような……。
(2005年5月2日)
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 2015_05_18


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