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スティーヴン・ミルハウザー「イン・ザ・ペニーアーケード」


スティーヴン・ミルハウザー「イン・ザ・ペニーアーケード」
白水社

うわ~~、これ、
今まで読んだ短編集の中で一番好きかも知れない。
(「エドウィン・マルハウス」は別格ね)

この本は3部構成になってて、
第1部は「アウグウト・エッシェンブルク」という中編、
第2部は女性を主役にした三つの短編、
第3部は、
表題作を含む、いかにもミルハウザーらしい3つの短編となってます。

まず、
第1部の「アウグスト・エッシェンブルク」で、
ガーンとやられてしまいました。
からくり人形に見せられた一人の天才を描いたものなんですが、
このからくり人形や時計の構造や美を綴る文章が
ホントに素敵なんですよね。
舞台は19世紀後半のドイツっていうのも雰囲気があってそそります。

野心も、これといった人生の目的もなく、
ただ取り付かれた様にからくり人形作りに没頭するアウグストの姿や、
からくり人形の幻想的な舞台などが、
映像としてくっきりと浮かんできます。

第2部の短編はどれも、
ふとした瞬間、心に翳を落す小さな衝撃を切り取ったもの。
中でも「太陽に抗議する」という、
何だか60年代風なタイトルの作品が印象的でした。

第3部の三つの短編も、
どれも極上の味わいですね。
表題作の「イン・ザ・ペニーアーケード」もよかったんだけど、
「雪人間」にはまいりました。
凄いです。
日常から非日常へと音もなく滑り込んで行く少年と
彼の目を通して展開される風景、
雪像に支配された街並みだとか、
遊園地のアーケードが映像として浮かび上がってくるんですよね。

最後の「東方の国」は
東国の帝の宮殿を項目ごとに分けて鮮やかに表現してある、
物語性は薄いけれドキドキするほど美しい短編。

ミルハウザーの作品のどれにも言えるんじゃないかと思うんだけど、
彼の作品って、
読んでて映像を結びやすい気がします。
でも、音はないの。
無音だからこそ、映像だけがクリアに伝わってくる、
そんな気がしました。
(2001年10月31日)
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