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E・アニー・ブルー「湾岸・ニュース」


E・アニー・ブルー「湾岸・ニュース」
集英社

タイトルは、「湾岸・ニュース」と書いて「シッピング・ニュース」
と読みます。

全米図書賞、ピュリッツァー賞など多くの賞を受賞したという作品。
映画にもなったらしいですね。
「サイダーハウス・ルール」や「ショコラ」の監督で。
ま、どっちの映画も見てないのでよく知らないのですが。

さて、ざっとあらすじを紹介しておきますね。
巨大な顎を持つ太った大男で不器用なクオイルという男が主人公。
劣等感の塊のような男で、
あまり幸せではない少年時代をすごした為か、
いささか……いや、かなり覇気の無い奴なんです。
善良で無垢、という表現もアリかとは思いますが、
とりあえず私としては不器用で覇気が無いと言っておきたい感じ。

ニューヨークで生まれ育ち、
いくつかのささやかな仕事を経て、
三流新聞の記者となったクオイルですが、
浮気性の女との結婚、その妻が彼を捨てて出奔したかと思ったら事故死、
実の父親の自殺という悲劇に見舞われます。
それまで都合の良い様に解雇と再雇用を繰り返されてきた新聞社にも
ついに完全に解雇された事をきっかけに、
親の死の際に知り合った叔母と、幼い二人の娘をつれて、
父親の故郷であるカナダのニューファンドランド島へ移住することにします。

そこは漁業中心の、絵に描いたような寂れた島で、
クオイルはなんとか
「ギャミーバード」という地元新聞社に雇われることが出来ますが、
住む家から何からすんなりとはいかず……。

実は、私はこのクオイルがずっと好きになれず、
あまり物語の中に入り込むことが出来なかったんですよね。
はっきり言ってニューヨーク時代のクオイルってやな感じの男でした。

でも、半分以上過ぎたところから、
だんだんクオイルを見る目が変わって来たんですよね。
まあ、彼の性格までは変わらないんだけど、
ニューファンドランドで生活していくうちに、
ちょっとずつ逞しくなってくるから。
叔母アグニスのタフで自立した姿や、
「ギャミーバード」の同僚たちの姿も生き生きしてて、
この物語への愛情が湧いてくる感じ。

厳しい環境の中で生きる人々一人一人がいとおしいんですよ。
ラストも、大団円というのではないけど、
ほろりと暖かい気持ちになれるラストでしたし。
と、言うわけで、
読了後は、やっぱりとても素敵な作品だったな、と。

色々書きたいシーンはあるけど、
実は一番胸にズーンと来たのが、
ニューファンドランドのビリー・ブリティという男が語る
ビリーの父親の話の中のエピソードの一つ。
ロンドンの孤児だったビリーの父親が
このカナダの島で根をおろすことになった話で、
結構長い語りなんですが、
その中に、
ニューファンドランドの子供たちが、
クリスマスに箱一杯の本をおくってもらった
と言うくだりがあるんです。
その中の一冊の火山の本に、
彼らが住んでるニューファンドランドのことが
書いてあることに驚き、喜ぶの。
世界から孤立したような貧しいこの島の事が、
「本」の中に書いてある!
自分たちの暮らしに注視してくれてる外国の人がいるんだ!
って、改めて知るって、
いいなあって思いました。
(2002年10月1日)
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