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マイケル・オンダーチェ「アニルの亡霊」



マイケル・オンダーチェ「アニルの亡霊」
新潮社

うーん、
読後しばらくこの本の感想をどう書けばいいのか
悩んでしまいました。
切ない、とも違うし、
辛い、とだけ言ってしまうのもどうか……。
うーん、
痛い物語であることは確かなんですが、
でもそう言い切ってしまうと違うような……と、
何だかこのごに及んで未だ歯切れの悪い私なのでした。

ヒロインのアニルは
15年ぶりに故国スリランカの空港に降り立ちます。
英米の大学で教育を受け法医学を専攻している彼女、
すでに両親は亡く単なる里帰りではなく、
発掘された白骨が歴史的なものなのか、
もしくは内戦に伴う殺戮による新しいものか、
国連派遣の法医学者として
第三者判定をおこなうための帰郷だったのでした。

この調査がまたさくさくとは進まないんですよね。
なぞがなぞを呼ぶって形ではないんだけど。
政治上の都合ってやつですねぇ。

もう、
なんだか個人って、無力なんだ~~って思っちゃいますね。
政治や社会という枠の中での個人って無力なの。
だけど、
だからってその無力さを訴えるだけの辛い物語ではないんです。
まず、
流れるような文章が詩文のようで、美しい。
それにアニル以外の登場人物たちが
それぞれ重みがあって印象深いし。
アニル自身の過去のエピソードなんかも
じわ~っと深みのあるものがあってよかったですね。
アニルが自分の本来名づけられた名前よりも
兄のセカンドネームが欲しくて、
とうとうその名前「アニル」を手に入れたエピソードとか、
ひっそりと姪に手を引かれて暮す盲目の老師、
かつては仏像に目を入れる絵師として一流の腕を持ちながら
愛する妻を失い廃人同様と化している絵師などなど印象的でした。
(2002年3月18日)




作者マイケル・オンダーチェ自身が、
スリランカ生まれのカナダ人作家。
オンダーチェの作品は、明日もすこし紹介します。
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 2015_04_11


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