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工藤吉生さんの短歌集 その2

Category: 短歌のこと  


工藤吉生さんの短歌集をいただいて、
その前半の歌をいくつかひいて感想を書いたのは
もう、けっこう前になってしまった。
で、
その残りをやります。
前回以上に、
自分勝手な感想になっちゃって、
なんか申し訳ない。


窓の外見てれば津田が「よしおさん青春してるね」と言い残し去る

おもわず、自分が言われたみたいにぞわっとした。
「津田」氏と「よしおさん」の関係はよく分からないけど、
唐突に背後からそんな声を掛けられたらいやだなぁ。
隣に立たれて言われたらもっといやだな。


うっかりと入っていくと晩飯がふるまわれそうな灯りの家だ
多分、
いままでもこれからも入ることのない家なんだと思うけど、
暖かくていかにも人好きしそうな色の
灯りのついた家なんだろうなと想像する。
旅人だったらそういう灯りの家があったら嬉しいだろうけど、
この歌の主人公は旅人じゃなくて、
振舞われたらちょっと困るんだろうなとか思う。
そう思うと、ちょっと斜にかまえた作者像が浮かんでくるんだけど、
灯りを見て「晩飯がふるまわれそう」と思えちゃうって、
もうこの作者の大前提が「善」なんだなぁと思ってほわっとする。

それにしても、変わったつくりだなって思う。
まあ、そんなに短歌を色々読んできたわけじゃないので、
本当はもっと色々あるんだろうけど。
「うっかりと入っていくと」の「いくと」から
「晩飯がふるまわれそうな」の「そうな」と続いて
どんどんフレーズが→で繋がってって、
その着地点が「灯り」なんだけど、
その「灯り」も終着点じゃなくて「の」でその続きがあって
最終的に「家だ」で終る。
つまり、「家」しか出てこない。
もうちょっと詳しく言っても「灯りの(ともった)家」。面白いな。


泣いているある時点から悲しみを維持しようとする力まざまざ
知ってると言ってあなたが話し出すエピソードのささやかな脚色


どちらも、誰しもが心当たりのあるところだと思う。
そして、
思ってもなかった痛いところを突かれたような気持で、
どきっとさせられた。


工事用機械の首は長くのびついにはオレを見つけてしまう

「オレ」が「工事用機械」の首が長くのびているのを
見つけてしまったんだろうけど、
それを逆に感じたという歌なんだと思う。
探されたい、見つけられたい気持の裏返しなんだろうか。
作者は、違うよ、全然違うって言うかもしれないけど、
見つけてもらう努力なんてあまりしてこなかったのに、
見つけてほしいと思っているわたしには、
この歌がそういう風に読めてしまう。
ちなみに、この歌の作者は、
そういう努力を惜しまない人なんだと思うので、
わたしと重ねるのは失礼なんだけど。


震災にヤマザキ春のパン祭り景品皿に傷ひとつなし

この歌はちょっとすごいな、と思った。
「ヤマザキ春のパン祭り景品」というのが「皿」を説明した言葉なので、
つまり内容的には、「震災に」「皿に傷ひとつなし」のみ。
これだけだと、なんと俳句より短い15音しかない。

そういえば、
日本三大祭のひとつ「ヤマザキ春のパン祭り」に参加して、
あの純白の皿をゲットしたことがない。
だから、この景品皿が、どういう手触りで、
どういう強度なのかは想像するしかない。
多分、この歌にあるように、無駄に丈夫なんだろうと思う。
とはいえ、
さすがに震災の被害のひどかった所では、
景品皿も無事ではすまなかっただろうし、
揺れはしたけど被害はさほどでなかった所では、
手にとって傷まで確かめてくれる人もいなかっただろう。
そして、この歌の主人公は、
皿を拾って傷ひとつないのを確認している。
どこかしらけた空気が漂う。

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 2015_03_27


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