スポンサーサイト

Category: スポンサー広告  

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

 --_--_--


エドワード・ケアリー「アルヴァとイルヴァ」



エドワード・ケアリー「アルヴァとイルヴァ」
文藝春秋

舞台はヨーロッパのどこかの国のエントラーラという町。
エントラーラについては
数年前に起こった大きな地震のニュース、
車中で死亡した女性を、
それと知りながら彼女の死体を乗せたまま
乗客の抗議を無視してダイヤ通りに町を巡回したトロリーバスのニュース
などで聞いた事があるかもしれない。
その二つが
世界的に報じられたニュースだからだ。
このニュースを聞いたほとんどの人は、
その女性の特異な死に方に衝撃をうけただろうが、
エントラーラの人々は彼女の死に方ではなく、
彼女の生き方の特異性に衝撃を受けていた。

ダリア・グレットがライナス・ダップスと出会ったのは
二人が勤めていたナポレオン街の中央郵便局だった。
ダリアがアルヴァとイルヴァを身籠ったのは、
その郵便局の正面玄関の暗がりだった。
郵便局長のダリアの父は、
このぱっとしない孤児の郵便配達夫のライナスが
娘の結婚相手になることを快く思ってはいなかったが、
とにかく二人は結婚し、
ナポレオン街で短い夫婦生活を送ることになる。
ダリアが双子を産み落としたその日にライナスが死んだため、
ダリアと双子、
つまり母とアルヴァとイルヴァは
ヴェベル通り27番地に居を移した。
後年、
エントラーラの町を救ったとされる
アルヴァとイルヴァの双子の姉妹の人生はこうして始まった。

架空の町エントラーラの詳細なガイドブックと
そこに添えられた町の建築物の模型の写真。
そしてアルヴァとイルヴァという双子の姉妹の
数奇な人生が整然と織り込まれた作品です。
アルヴァ・ダップスによる手記に、
名所旧跡を紹介しながら、
双子の思い出の断片を集めていく
アウグストゥス・ヒルクスの文章が添えられるような形式になってます。
丁寧に緻密に織り上げられてて、
まるでこの町に足を踏み入れた旅人のような気持になるよう。

うん、面白かった、
…と言いたいんですが、実はなかなかそれが言いにくいんです。
何故か?
それは単純に登場人物の中に
どうしても好きになれない人物が二人居て、
その内一人がこの物語の主役の一人、
アルヴァ・ダップスだから。
ちなみにもう一人は双子の父親ライナス・ダップスです。
外に向っていくように見えながら、
その実、
自己完結してるそのアンバランスさがひどくグロテスクで…。
もうね、
アルヴァが小学校に上がったところからずっと嫌だったの。
なのに読むのを止められなかったのは何でだろう。
やっぱり作品の出来がとてもよかったからでしょうねぇ。
でもって、
作品の出来のよさがきっと私の反感を増幅させたんだと思うんですよね。
(2005年4月27日)
スポンサーサイト

 2015_03_01


Comments


 管理者にだけ表示を許可する


07  « 2017_08 »  09

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

プロフィール

Sima

Author:Sima
わたしが超個人的におすすめする児童文学100選
是非コメントください。
よろしくお願いします。

カテゴリ

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

ランキング




PAGE
TOP.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。