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エドワード・ケアリー「望楼館追想」



エドワード・ケアリー「望楼館追想」
文藝春秋

ああ~~、めちゃめちゃ面白かったです。
いや~、興奮しました。

作者は、1970年生れのイギリス人。
これが処女作なんだそうです。
タイトルに惹かれて手に取った本ですが、
ホント面白かった。
奇天烈で痛くて、ちょっと甘いところも魅力的な、
魂の再生の物語でした。

常に白い手袋を身につけ、
「望楼館」という五階建ての集合住宅で
両親と暮している中年の男が主人公フランシス・オーム。
彼は冒頭で自らを
「大事なものを集めた博物館の学芸員」
だと言っていますが、
職業は、
町の中心部にある、もともと彫像が立っていた台座に立ち、
白装束で「彫像になりきる」というもの。
台座の真下に置かれたブリキの缶の中に
投げ込まれたコインが彼の報酬なのです。
彼のそれまでの職業は、
蝋人形博物館で本物の蝋人形たちに混じって、
まったくの蝋人形のように立っているというもので、
時代の流れによって、
彼ら半蝋半人たちは全員解雇されたのでした。

彼以外の望楼館の住人もみんな奇天烈な人達で、
外の現実の世界を恐れ、TVの画面の中だけに生きる老女、
全身から汗と涙を滴らせ続ける小心な元教師
(彼は主人公フランシスの元家庭教師でもあります)、
人語を解さず公園で犬と共に生活し、
身近に人間を寄せ付けようとしない「犬女」とも
彼女が20号室に住んでいることから「トゥエンティ」とも呼ばれる女性、
職務に厳格で玄関を清潔にしておくことがこの世のすべてのような「門番」、
そしてフランシスの両親。
かれらも相当奇天烈な人達です。

彼らの望楼館での生活は、
先細りすることはあっても、
それ以上どうなるということもないある種の平穏の中にありました。
望楼館に新たな住人がやってくるまでは……。

巻末には、
55ページもの「フランシス・オームの愛の展示品」一覧があって、
読了後のほわ~~っとした余韻に浸りながら
これも堪能させていただきました。

作者エドワード・ケアリーの次回作は、
アルヴァとイルヴァという双子の姉妹が、
かつて地震で崩壊し、
やがて再建されたエントラーラという町を紹介していく
ガイドブックのような物語なのだとか。
こちらもすっごく楽しみです。
(2002年11月10日)
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