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ウーヴェ・ティム「カレーソーセージをめぐるレーナの物語」



ウーヴェ・ティム「カレーソーセージをめぐるレーナの物語」
河出書房新社 浅井晶子訳

僕が子供の頃、ハンブルグのブリューダー通りに伯母が住んでいて、
よく訪ねたものだった。
そこへいくと、必ずブリュッカー夫人の屋台でカレーソーセージを食べてきた。
最後に食べたのはもう12年以上も前のことだ。
今でも、いわゆる「通」のあいだで
カレーソーセージの誕生について論争になる時は
必ずブリュッカー夫人のことを思い出した。
彼女がカレーソーセージを発明したのではないかとずっと思っていたのだ。

僕はブリュッカー夫人をハールブルグの市立の老人ホームに見つけ出した。
そして七回の訪問の間に、
このカレーソーセージにまつわる彼女の物語を聞いたのだった。

1945年4月29日、日曜日。
ヒトラーとエヴァ・ブラウンが結婚した日。
それがこの物語の始まった日だった。
海軍一等兵曹ブレーマーは、
休暇を終えて軍へ戻る途中のハンブルグにいた。
レーパーバーンにあるクノップス映画ホールへ足を伸ばしたブレーマーは、
そこでレーナ・ブリュッカーに出会ったのだった。
まだ予告編が終らないうちに空襲警報がなりはじめ、
二人は防空壕へと逃げ込み、
警報が解除されると二人でレーナの家へ行った。
そしてそのままブレーマーは脱走兵として
その家に匿われることになったのだった。

面白かったです。
カレーソーセージ、日本では聞いた事の無い名前ですが、
これは食品の名前じゃなくて料理の名前。
タイトルだけ見たときは、
てっきりカレー風味の利いたソーセージなのだと思ってましたけど、
全然違ってましたね。

熱くなったフライパンにカレー粉を少し振りかけ、
それからナイフで子牛のソーセージを輪切りにする。
ケチャップをフライパンにぶちこみ、かき混ぜ、黒コショウを少し加えて、
それからソーセージの輪切りを紙皿に移す。
そういう料理なのだそうです。

さて、
レーナ・ブリュッカーが海軍一等兵曹のブレーマーを愛人として、
そして脱走兵として自分の家に匿った時、
彼女の年齢はブレーマーの母親といってもおかしくない年齢だったようです。
夫と16歳の息子は軍に招集され、
娘も実家から遠く離れた場所にいて、
レーナは若い愛人を匿っている。
こりゃどう考えても不道徳すぎるだろって、
全部読み終わって改めて本をぺらぺら捲りながら思ったりしますが、
実はこの作品を夢中で読んでる間、
まったくそんなことは考えもつかなかったです。
何の批判の気持も起こらなかったです。
これはレーナという中年女性の、一人の女として自立しているところや、
それを語る老ブリュッカー夫人の語り口などがそうさせたのかもしれません。

さて、
密告者と皆から言われている近所の男に、
何か怪しいと不信の目で見られながら、
レーナとブレーマーの日々は続いていき、
その話を聞いている現代の「僕」の
老人ホームへの訪問の回数も重ねられていくのに、
なかなか彼の目的のカレーソーセージに行き着きません。

レーナとブレーマーの秘密の日々の行方は?
そしてカレーソーセージの誕生のその瞬間は?

初めてレーナが作ったカレーソーセージを食した人間の反応を見た時は、
何だかとても胸に迫るものがありました。

第二次世界大戦中のドイツを舞台にして、
何故か突き抜けた感と軽味の感じられる作品でした。
(2005年7月30日)




ちなみに、
カレーソーセージって
正式には
カリーヴルスト
って言うんですね。

たしか、この本を読んだ当時はネットでもあまり見なかった料理な気がするけど、
今確認したら、結構情報があがってました。

毎度毎度Wikiネタで申し訳ありませんが
Wikiのカリーヴルストの項に、
ベルリンには2009年に、カリーヴルストの発売60周年を記念してカリーヴルスト博物館(カレーソーセージ博物館)が開館している
って一文があったんですが、
この感想を旧ブログにアップした当時、
つまり2005年の7月末ぐらいに、
コメント欄に、わたし自身が
ベルリンにカレーソーセージ博物館が出来たそうですね。
って書いてて、exciteのニュース記事のURLを載せてるんですよ。
もうそのニュース記事は読めなくなってますが、
どういうことなんだろう…。
4年後に完成という予定のニュースだったのかなぁ。
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 2015_01_31


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