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ジェフリー・ユージェニデス「ミドルセックス」



ジェフリー・ユージェニデス「ミドルセックス」
早川書房 佐々田雅子訳

わたしは二度生まれた。
物語はこの言葉から始まる。
一度目は1960年デトロイトで0歳の女児として、
二度目は1974年に10代の少年として、二度生まれたのだ。

カリオペ・ヘレン・ステファニデス、
デトロイトで食堂を営む両親の二人目の子供として、
そして初めての女の子として生まれた主人公は、
14歳の時に自分が両性具有者であるということを知り、
その後はファーストネームをカルと名乗り、
男としての人生を始めたのだった。

何故カリオペの身にこんな運命が用意されてしまったのだろう。
物語は過去へと下っていく。
カリオペが生れる3ヶ月前へ、いやもうすこし前、
カリオペが母の胎内におさまるより少し前へ。
そして、
もっと前へフィルムは巻き戻され、1922年のギリシャの小さな村へ。

デズデモーナと弟のレフティーはこの小さな村で生まれ育った。
幼い頃から一卵性双生児のように親密に育った姉と弟は、
両親の死後、家業の養蚕の仕事をしながら二人で暮らしてきた。
きょうだいの愛情を越えた愛情を持つようになってしまった二人。
しかし、互いにそれを確認した日、
ギリシャとトルコの戦争で村は焼け落ちてしまったのだった。

とても楽しかったです。
うん、とても面白かった。
両性具有者の手記という形をとった作品なんだけれども、
ことさらセンセーショナルに言い立てるわけでもなく、
自らの両性具有としての苦難の道が語られるわけでもないの。
ステファニデス家の歴史を遡って、
祖父母の代から三代にわたる物語が描かれていくんです。
それがカリオペの染色体異常と深く結びつくものだから。

トルコ軍に侵攻されて壊滅状態になったギリシャから、
いとこをたよってアメリカにわたった祖父母。
ギリシャ系移民としてのアメリカでの新生活。
父母の恋、結婚と続く物語は、
ステファニデス一家の物語でもあり、
アメリカに暮らす移民たちの物語でもあるのね。
そして主人公カリオペが第一の生、
つまりステファニデス家の長女として生れてからの物語も、
さまざまな波乱に満ちてるの。
第二次性徴によってカリオペの体に不協和音が生じてからがまた、
なんか
その気持の襞が細やかに描かれてて
読みながらドキドキしてしまいまいした。

栞を用意してじっくり読みたい、そんな作品でした。
(2005年4月)




作者ジェフリー・ユージェニデスは、アメリカの作家。
本書でピュリッツァー賞を受賞したとか。
映画「ヴァージン・スーサイド」の原作「ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹」
の作者でもあります。
本書はもう早川書房が出版してないみたいだけど、
「ヘビトンボ~」はまだ出てるんだよね。
ピュリッツァー賞よりも映画原作が上かー。
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 2015_01_27


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