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フランシス・アイルズ「レディに捧げる殺人物語」



今回の金曜企画は
フランシス・アイルズ。

お前のチョイスは古すぎるんや
って言われそう。




フランシス・アイルズ「レディに捧げる殺人物語」
創元推理文庫 鮎川信夫訳

世の中には殺人者を生む女もあれば、
殺人者とベッドをともしする女もある。
そしてまた、殺人者と結婚する女もある。
リナ・アスガースは、八年近くも夫と暮らしてから、
やっと自分が殺人者と結婚したことをさとった

という文から始まるこの物語。
いや、すごい作品でした。
今まで読んでなかったことを残念に思うと同時に、
今この物語を楽しめたことを嬉しく思う気持でいっぱいです。
え、大げさか。
バークリー名義、A・B・コックス名義とは違った、
非常にずっしりとした作品。
人によっては後々までもたれるかも。

この作品は三部構成になっていて、
第一部は、
いき遅れのオールドミス直前のリナ・マックレイドローと、
ジョニー・アスガースとの馴れ初めから新婚の日々を経て、
悩める結婚生活、
そしてその破綻の夜までが描かれます。
幼い頃から家族に言い聞かされてきたせいで、
女としての美貌を持たないかわりに、
知性を磨かなければならないと思ってきたリナ。
しかし28歳になった今は、
女にとって大切なものは美貌であり、
知性というのは他人から煙たがられるだけだと知っていた。

コザーストーン家の娘たちが開いたピクニックで紹介されたジョニーは、
あっという間にリナの心に入り込み、
いくらか時間はかかったけれど彼女を陥落させるます。
ならず者、だらしない男、
リナが将来受け取るはずの父マックレイドロー将軍の遺産がめあて、
などと二人の結婚をいさめる声を押し切って結婚に到るのでした。
しかし、
新婚旅行の時から、ジョニーのお金に対して不正なところがあること、
それを恥ずかしいとも何とも思っていない態度に戸惑うこともあったのですが、
何しろ愛する、
そして自分を愛してくれるジョニーにメロメロのリナには、
さほど大きな問題とは思えないのです。
結婚後何度も繰り返される金銭的なトラブルと不正、
それも愛し愛されるリナにとっては
一過性のいらだちに過ぎないのでした。
読んでて、
じわじわとリナって女に対して苛立ちが募ります。
バカだバカ。

しかし、
ある決定的な事実の前にはさすがのリナも打ちのめされ、
結婚生活は破綻するのです。
そして第二部へ。
夫ジョニーとの離婚を決意して妹夫婦の元に身を寄せたリナは、
そこで情熱的な恋人が出来ます。

実は第三部まで、
冒頭に出てきた「殺人」というものは、一切登場しません。
匂いすらも。
ああ!
なんてバカ女なんだ!
ばかだばかだと思いながら読んでおりました。
えんえんと続くヒロインの心理密着型の描写に、
息が詰るぐらいでした。
とはいえ、
こんなバカ女の行く末を全部忘れて見捨てることも出来ません。
かわいいバカじゃないのが
また読んでいて苦しいんです。
ううっ。
でも途中でやめられないこの麻薬のような流れは何なんだ
という感じね。

倒叙型ミステリ、
という枠組みに入る作品なのだと思いますが、
もしかしたら、
そんな枠なんて全然必要ないのかも。
自意識と猜疑心と狂気による緊張感がギリギリにまで高められた
恐ろしい作品です。
(2005年7月29日)




この感想を旧ブログでアップした時、
コメント欄でも
バカ女という言葉が飛び交ってました。
コメントくださった方はみんな女性だったんですけど、
みなさん、リナはバカだと思いつつ、
リナを見捨てることの出来なかった方たちでした。
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 2015_01_16


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