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「シュティフター作品集 石さまざま」


アーダベルト・シュティフター「シュティフター作品集 石さまざま」
松籟社

この作品集は、
シュティフターの短編集「石さまざま」から5篇、
死後に刊行された「物語集」から8篇入ってます。

うーん、
とにかく風景描写が絶品なの。
特に印象的なのが後期作品群の中の「森の泉」かな。

時を変えて二度美しい人の姿を見たことがあるが、その都度私は、二人ともこの世にまたとない美しい人だと思った。
一度はジプシーの少女で、もう一度はさる若い夫人であった。


という文章で始まる物語は、
ジプシーの美しい少女を見かけた話、
美しい若い夫人に出会った話を
「わたし」が夫人に語った後に聞かされた
ある老人と子供達と野生の少女の物語へと続きます。
この文章でわかるでしょうか?
分かり辛くて申し訳ない。

妻と息子夫婦を亡くし、
人生に疲れ切り、
残された二人の息子の子供達と
森の中の別荘を訪れるシュテファン老人。
学校の問題児で、
森の中で祖母と二人っきりで
野放しのような状態で暮す少女ユリアーナと、
老人は、
まるで野生動物と交流するように
少しずつ少しずつ触れ合っていきます。
この野生の少女ユリアーナから
無垢な愛と尊敬を受けることによって、
老人は誰かに愛されるということの素晴らしさに気付くのでした。

けして激すことなく語られる物語と美しい描写、
静かな感動を呼びます。
もう、玉のように美しい物語です。
大好きだわ。


「石さまざま」の中では、
「森の泉」とは雰囲気を異にしますが、
「電気石」が印象的でしたね。
この作品は暗い物語なんです。
でも、やっぱり美しいんですよね。

年金生活者とその妻、
そして幼い娘という幸せな家族。
けれど
突然妻の出奔と言う不幸が年金生活者を襲い、
残された二人は
いつしか何処ともなく姿を消してしまいます。
やがて二人のその後が知れる事になるのですが、
それがまためっちゃ暗いんですよ。

フルートを吹いて日々の糧を得ながら
幼い少女を養っていた父親は、
その内ある屋敷の門番となります。
暗い一室で
自分を捨てて行った妻へのうらみを
娘への奇妙な教育で晴らすかのような男。
ラストはホッとするというよりも、
胸がぎゅっと締め付けられるような優しさがどこか切ないんですよね。

でも、
この作品の眼目は
ストーリー以上にやっぱり描写の美しさ。
ある女が
夜、奇妙なフルートの音を耳にするくだりの描写が
めっちゃ素敵なんです。
(2001年9月25日)
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