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ベン・オクリ「満たされぬ道」



ベン・オクリ「満たされぬ道」
平凡社

うーん、あらすじを紹介するのが難しい
マジック寄りのマジックリアリズムって感じですね。
上巻の途中までは、
実はアレレ……という感じだったんですよ。
面白くない、分らないという訳ではないけど、
面白いとも言い難くて……。

ところが、
どんどん読み進んで行くうちに、
気がつくと物語の世界にずっぽり引き込まれてるんですよね。
なあんだ、
単に最初は私が物語のリズムに入れずにいただけだったのね。
と言うわけで、
大満足の読了といえましょう。

同じ母親から何度この世に生まれても、
居心地のいい精霊の世界へと帰ってしまう、
つまり死んでしまう子供のことを「アビク」というんだそうです。
ナイジェリアの伝説なんだとか。

この物語は
人間の世界で生きつづけることを選択した「アビク」、
アザロという少年の物語。
精霊の世界と人間の世界を行き交う少年アザロと
彼を取り巻く人々が描かれてるんですが、
幻想的でありつつ、
独立前のナイジェリアが舞台だけに
混迷する政治が、
少年の暮らす貧民街にも不思議な影を落としてるんですよ。

アザロの幻想的な様々な体験も面白かったんだけど、
現実の人々の姿がまたよいんですよね。
「現実のはずれ」のバーのマダム・コトの巨大な姿、
地下活動をしている写真屋、
盲目の老人、アザロの友達の少年エイド。
ボクサーになろうと思ったり政治家を目指したりと
破天荒な父親も良かったですね。
でもなんと言っても
アザロの母の姿が切なくて良いんですよ~。

「母さんのため息は絶望に満ちているけれど、
肺の底に、吐きだす息の最後の部分に、希望がある」
そんな母親を幸せにするために
この不自由な世界で生き伸びようと決意するアザロ。
うう~ん、哀しくてやさしい物語ではないですか。

混乱と魔法に満ちた「生」の世界、熱かったです。
(2002年8月6日)




1991年ブッカー賞を受賞した作品です。
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 2014_12_29


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