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アン・パチェット「ベル・カント」



アン・パチェット「ベル・カント」
早川書房

舞台は南米のある小国の、副大統領官邸。
工場誘致目的で催された、
日本の大手企業の社長の誕生パーティが開かれており、
官邸には、
十以上の国を代表する人々や
日本の企業のトップなどが集まってます。

オペラ好きの主賓、
日本の大手企業「ナンセイ」の社長カツミ・ホソカワのために、
世界的オペラ歌手ロクサーヌ・コスも呼ばれていました。
実はホソカワ氏は、
この国に工場を建てることも、
自分の誕生パーティを開いてもらうことも全く興味なかったんですが、
大のオペラ好きで、
とにかく
ロクサーヌ・コスの生歌
が聴けることへの嬉しさだけにやってきているんです。

しかし、
何故「副」大統領官邸なのか?
うまく行けば、国政にも大きく作用するパーティなのに、
この国の代表者である大統領本人が、
連続ドラマを見たいがために、
キャンセルしてしまったからなのでした。

ともあれ、
和やかな雰囲気と、カクテルにオードブル、
感動的なロクサーヌの歌声とパーティがたけなわになった時、
突然、
パーティの出席者が夢にも思わなかった事態が起こります。
換気ダクトから進入した武装したテロリストたちによって
副大統領官邸が占拠されてしまったのです。

彼らの目的は、
このパーティに出席しているはずの大統領マスダ。
しかし、
当の大統領は、
例の事情によってここには居ないわけです。
そして、
パーティにやってきた人々の長い幽閉生活が始まったのでした。

ううっ。
読み出したら止まらない面白さでした。
なんとなくわかったと思いますが、
実際にあったペルー日本大使公邸の占拠事件を題材にして書かれてます。

ほぼ全編がこの官邸占拠の間の出来事で、
しかも、事態は完全な膠着状態。
始めは死の恐怖に震えていた人質たちが、
その内、
自分たちを官邸に閉じ込めたテロリストたちのほとんどが
子供であることに気が付きます。
が、
反乱を起して外へ逃げ出そうとは誰も考えないの。
長期間に及ぶ人質生活の中にも、
次第にリズムが出来、
自由が生まれ、交流ができ、
物事の優先順位が生れてきます。
それを描いた物語なわけです。
テロとか占拠事件、人質、なんて言っても、
全然手に汗握るサスペンスな部分はないわけ。
ところがそれがめちゃめちゃ面白いんですよね。
人の心の機微のなんと細やかなことか。
美しい喜悲劇といった趣でしょうか。

わりと淡々と綴られる非日常でありながら日常的な風景、
人質、テロリストたちが、
それぞれ一人一人ステキだったり、可愛かったりして
どんどん愛おしく感じてくるんです。

しかし
実は、結局のところ、
わたし的には、あんまり好きな作品ではないかも。
ハッピーエンドで終らないから、
ではないですよ。もちろん。

なんか、どうにもわからなくなっちゃって、
読み終ってすぐに
エピローグ前からの数ページと、エピローグを
何度も読み返してみましたが、
うーん……
わからない。

あんなに楽しく読んでたのに、
最後の最後に、なんともいえずもやもやっと終っちゃいました。
(2003年5月19日)




この作品について、
このラストが
オペラファンじゃないと理解出来ない
読み方を誤る
とか書いてる方がいて
ちょっとイラッ。
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 2014_11_03


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