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アブナー・シモニ「ティバルドと消えた十日間」


アブナー・シモニ「ティバルドと消えた十日間」

これは、
面白くって、知識がどっと増える
けど、
多分そこまでためになるかっていうと、
その辺は定かじゃない
という、
楽しい児童文学の一つ
と、わたしは捉えてます。
「ネモの不思議な教科書」「ビッビ・ボッケンのふしぎ図書館」
「テオの旅」
などと、同じジャンルかなー。
ちなみに三つとも面白い本です。あ、二つかな。
仲間はずれはどーれだ。
となると、「ソフィーの世界」も出さないといけないのかも知れないけど、
こっちは読んだ事がないんですよね。




アブナー・シモニ「ティバルドと消えた十日間」
翔泳社 熊谷千寿訳

ティバルドの父ロレンツォ・ボンディは、
ボローニャ大学の医学部で働いていた。
と言っても医者でも、教授でもない。
なにしろラテン語はおろか、
イタリア語ですら満足に読むことが出来ないのだ。
ロレンツォは、トゥリザヌス教授の助手として働いていた。
そして、
高名なこの教授がわざわざ手を下すほどではないもの、
例えば負傷兵の診察は教授の仕事であるが、
その後の処置はロレンツォの仕事だった。
また、
骨折などの場合は教授の診察を仰ぐまでもない。
教授の知識が必要ではない、
こうした単純な怪我は
機械的に治療すれば勝手に治る。
だからロレンツォが丁寧に骨を接ぎ、
副木をあてがっていた。
ロレンツォのこうした丁寧な仕事の甲斐あって、
トゥリザヌス教授は創傷や骨折の名医として評判だった。

ティバルドは
5歳の頃から父の仕事に興味を持ち、
父の仕事場に連れて行ってもらい、
父の仕事ぶりを尊敬の眼差しで眺めていた。
そして7歳のとき、
ティボルドにとって大事件が起こった。
大学生に混じって
トゥリザヌス教授の講義に潜り込んでいたティボルドの姿が
教授に見つかってしまったのだ。
しかし、
このことがきっかけとなり、
ティボルドはすべて教授の後ろ盾のもとで、
教授の後継ぎとして医学の道を志すこととなったのだった。

1582年、
時のローマ教皇グレゴリウス13世は、
これまでのユリウス暦による暦のズレを解消するために、
新しく、より誤差の少ない暦に切り替えると発表した。
これははじめのうち、
学校で勉学に励んでいた幼いティバルドとは
何の関係もないことのように思われた。
しかし大いに関係があったのだ。
旧暦と新暦の間には十日間のズレがあり、
新しい暦になることで削られるこの十日間の中に、
大切なティボルドの誕生日が含まれていたのだった。
自分の誕生日を取り戻すため、
ティボルドに出来ることは……。


作者は哲学者であり、理論物理学者なのだとか。
その肩書にはげしく納得です。
16世紀イタリアの一人の少年の物語を軸にして、
歴史や天文学、当時の医学などが織り込まれているんですが、
これがとてもするするとわかりやすく頭に入ってくるんです。
難しい言葉を使わず、
入門編とはいえ、
入り口をさらっとなぞっただけに止まらない深さがあって、
「うんちくを読まされている」という感がないんですよね。
これって、
「物語を楽しみながらいつの間にかさまざまな知識が身につくヨ!」
的な児童書とは大きく異なってる点ではないかと思います。

コペルニクスの説いた地動説、
ローマのカエサルが制定したユリウス暦についての知識、
読みながら知的好奇心をとても満足させてくれます。

しかもお勉強的ではなくて、
とても面白く読めるというのがミソですね。
ティボルド少年がまた可愛らしくて可愛らしくて。

本編の後に添えられた
「もうちょっとだけ天文学」という一編では、
ティボルドの天文学の師であり、
コペルニクスの弟子だった祖父を持つという
ヴィットーリオ先生を軸にして、
かなり深め(わたし比)の天文学について書かれてます。
これは、本編よりもちょっと高度ではあるけど、
図解も入っていてとてもわかりやすくて面白い。
そうか、
フーコーの振り子ってそういうものなんだ~
とか初めて知りました。
ウンベルト・エーコの作品のタイトルだったなぁ
程度の知識だったもので。

16世紀から17世紀の天文学、物理学、宗教や医学など、
子供だけでなく大人でも充分楽しめる知識が優しく詰まった作品。

私が利用してる図書館では
英米文学の棚に置いてあったんだけど、
子供が手に取れるように児童書の棚にも一冊置いてほしいなぁ。
(2005年7月4日)




ところで、この作家がどこの人か
はっきりわからないので、
とりあえず、
アメリカの項においておきます。
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 2014_10_13


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