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ウンベルト・エーコ「前日島」
文藝春秋

読み始めてから結構長くかかってしまいましたが、面白かった。
時代は十七世紀。いわゆる大航海時代というやつです。
アマリリス号に乗船していた主人公ロベルトは、
これが難破してしまい、
戸板に身体を縛りつけられて海に放り出されてしまいますが、
奇跡的に命拾いをします。
なぜか島の入り江に漂泊したまま
見捨てられた無人の船ダフネ号に流れ着いたのでした。
甲板からは島が見えているのですが、
ボートが残されていないため
ダフネ号から脱出することはできません。
(ちなみにロベルトはかなずち)
幸いダフネ号には水も食料も大量にあり、
ロベルトはとりあえずの安息を手に入れた……
はずだったのだけど。
怪しげな荷の詰った、無人の船ダフネ、
姿なき他人の痕跡
といった状況から物語は始まって、
ロベルトのダフネ号での生活と、
アマリリス号に乗りくむまでの回想が語られていきます。

上記のあらすじだと冒険活劇風だけど、
そこはそれ、エーコですから~。
一筋縄ではゆきません。
ありとあらゆることを色々な人物を通して語りまくってます。
でも、なんか愉快なの。
なんども笑っちゃうような箇所が登場するんですよね。
真摯で愉快でほんのりわびしい味付け。
私個人的には
すっかりロベルトのパパとカスパル神父のファンになってしまいました。
(2001年10月15日)

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 2016_02_29




ウンベルト・エーコ「薔薇の名前」
東京創元社

ページ開いていきなり「うっ、小難しい……」という感じで、
結構めげましたが、
気がつくと面白くなってきてるの。
おや~~??
宗教論がてんこもりなんだけど、どっちかというと軽めの語り口で、
主要キャラクターたちが案外人間くさいから、
面白くなるまでのところもめげずに読みつづけられた、
という感じなのかもしれません。

この「薔薇の名前」は、
死を間近に控えた修道士アドソが若き日に遭遇した
ある修道院での血なまぐさい事件の7日間を回想した手記、
という形が取られてます。
時代は十四世紀、見習い修道士アドソは、師ウィリアムと共に、
とある修道院を訪れます。
そこで遭遇した奇怪な連続殺人事件。
彼等はその事件の真相を探るべく僧院長から依頼されますが……。

長々と展開される宗教論を楽しめるか、
もしくは読み飛ばす事が出来たなら、
この作品はめっちゃ楽しめると思います。
ちなみに私はかなりの分量を読み飛ばしてしまってます。
それでも面白くよめちゃうんだから凄いですよ。
中世の僧院、鎖された文書館、白熱する宗教論、
道具立てはおも~い感じがいたしますが、
最初にも書いたけど、案外軽やかなタッチで綴られてるんで大丈夫。
ウィリアムとアドソの師弟コンビの活躍を楽しんでください。
もちろん荘厳な中世の僧院の雰囲気もきっちり味わえます。
(2001年9月2日)




そう、この頃はめんどくさいところをさっくり読み飛ばす系の
そんな読み方してたんですね。
そういえば、最初に「指輪物語」を読んだ時(高校生の頃)も
最初のくだりをさっくり読み飛ばしてたっけ。
ひどい読者ですね。
それがソラリス学まで楽しめるように成長したとは。
なんて、未だに飛ばし読みすることもありますけども。

 2016_02_28




イタロ・カルヴィーノ「レ・コスミコミケ」
ハヤカワ文庫

イタリアの作家カルヴィーノの、
うーん、どういうんでしょうか?
ファンタジックなSF連作集です。
不思議な味わいの面白さがありました。

遥かな遥かな昔、
梯子をかけたら月に届く頃……だったり、
まだ形というものが存在しない原初の宇宙の頃だったり
という時代の物語をQfwfq爺さんが
「わしは~だった」
なんて語り口で語ってくれると言う形式で、
まるでおじいちゃんが昔話を、
おじいちゃんを主役にしてお話してくれている
というような雰囲気なんですよ。
無邪気なぐらい突拍子がないストーリーも、
なんだか
「むか~しむかしあるところに」みたいな感じ。

私が特に好きだったのは、
月に梯子をかけて
月のミルクを取りに行く
というシーンから始まる
ちょっと切ない恋物語の「月の距離」と、
ビッグバン以前、
誰も彼もが一点に集まって暮らしてたという「ただ一点に」、
Qfwfq爺さんが子供だったころの遊びの
「終りのないゲーム」かな。

のんびりムードで語られる
果てしもなく壮大なスケールと
妙に日常的な感覚が入り混じって、
且つ
どことなく胡散臭い理屈が漂うという、
つかみ所が無いホント不思議な味わい。
嫌いじゃないです。こういうの。
(2002年9月26日)

 2015_11_16



イタロ・カルヴィーノ「魔法の庭」
晶文社

カルヴィーノって、
実は児童文学しか読んだことがなかったんですよ。
その児童文学のイメージをずっと引きずってたんですね。
ところが、今回この本を読んで
カルヴィーノ=児童文学イメージをかなり払拭されることとなりました。
うーん、面白かったです。
寓話っぽい押しだしは変らないとも言えるんだけど、
この短編集は
現実の影を色濃く引いた作品。
いや、
現実の世界を描きながらも
どことなくメルヘンな感じとも言えるんだけど、
やっぱり現実感よりメルヘンな浮遊感の方が強い気がしましたね。
おとなっぽかったです。

作品は全部で11篇。
線路を歩いていて、
汽車をよけるためにもぐりこんだ垣根の通路の奥に
不思議な庭園を見いだす少年たちの「魔法の庭」。
パルチザン狩に村にやってきたドイツ兵の掠奪から
大事な雌牛を守ろうと銃をかまえた
役立たずのジュアと呼ばれる農夫の物語「動物たちの森」。
魚とりの少年と泣いている女の「大きな魚、小さな魚」。
戦争ごっこの最中に本物の軍隊に出会った少年たちの「楽しみはつづかない」
などがよかったですね。
現実とメルヘンのあやうい緊張感、
美しい描写を満喫させてもらいました。
(2002年5月27日)
 2015_11_14



アントニオ・タブッキ「インド夜想曲」
白水社

アントニオ・タブッキは
前回難解な断片集
「島とクジラと女をめぐる断片」で玉砕してしまったので、
今回、
「初めてならこれの方が…」というご意見に従って
改めてタブッキに挑戦という感じでした。

で、
「インド夜想曲」、
タイトルからは幻想的な物語??
というイメージを持ってたんですが、
どちらかと言えばリアルな現実世界での物語でした。
だからって、聊かがっかりした、
という事もないんですけどね。

物語は、
一人の男がインドで旧友を探す、
というもの。
失踪した友の足跡をたどって、
スラム街の安宿、
悪臭で息の詰りそうな夜の病院、
美麗なタージ・マハル・コンチネンタル・ホテル
などを訪れる主人公のヨーロッパ人。
場面場面で切り替わる映像的な手法が印象的でした。
初めの方で、
「どちらかと言えばリアルな現実世界」
と書きましたが、
インドをめぐるヨーロッパ人の視線のせいでしょうか?
オリエンタルなムードとかが
どこかファンタジックな趣き。
なかなか面白く読めて、
うーん、タブッキあなどれないな~って
感じでした。
(2001年11月7日)

アントニオ・タブッキ「逆さまゲーム」
白水社

「逆さまゲーム」と
「いくつかの短編」という二つの章に分かれてて、
「逆さまゲーム」は表題作を含む8篇、
「いくつかの短編」は3つの短編からなってます。

うーん、
どうもやっぱりタブッキは嵌りづらい作家の様ですね。
一筋縄ではいかないというか。
「土曜日の午後」「空色の庭園」の2篇が割と面白かったかな。
「空色の庭園」に
「イケバナ」や日本画、カワバタが好きな女性が登場するんですが、
不思議な感じがしました。
思いがけない所に、
微妙な意味合いで日本が登場すると、
変に意識しちゃうものなんですねぇ。
(2001年12月10日)

 2015_10_09




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