上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

 --_--_--




「ブロックルハースト・グローブの謎の屋敷」シルヴィア・ウォー

作者シルヴィア・ウォーは1935年生まれのイギリスの作家。
本作が処女作で、
1994年にこの作品でガーディアン賞を受賞してます。
ガーディアン賞は
イギリスの児童文学賞で、
アメリカだとニューベリー賞にあたる賞という感じかな。
ガーディアン賞の方は対象がイギリス国内の作品だけじゃなくて、
英語圏の国で出された本、ということでちょっと広いんですが。
さて、
本作は、「メムニ一家の物語」という全五巻からなるシリーズの
第一作目にあたります。
このシリーズの主役は、
人間としてひっそりと暮らしている等身大の布製の人形たち。
しかも総勢11人という大家族。
なにそれ、設定に無茶がありすぎるよ
って感じなんですが、
これが読ませてくれるんですよね。
佐竹美保さんの挿絵もとてもよくて、
ホントに大好きなシリーズなんですが、
実は絶版なんですよ。とても残念です。
講談社さん、このシリーズを復活させてくれないかなぁ。

郊外にある一軒家、ブリックルハースト・グローブ。
ここに住んでいるのは、実は
たぐいまれな裁縫の才能をもったケイトおばさんに作られた
等身大の布人形たちだったのです。
人間社会の隅っこで、
人形だと悟られないように苦心しながら生きている
11人の人形の家族たち。
ケイトおばさんの死後、
不思議な魔法の力で命を得て40年。
布で出来た人形ですから、本当はものを食べる必要もないんですが、
彼らは人間のように料理をつくりそれを食べる「ふり」をして、
自分たちが人形ではなくて人間なのだというように暮らしています。
それは毎日人間ごっこをしているようないびつな生活でもあります。
そして、何より大切な命題は、
決して自分たちが人形だという秘密を
人に知られてはいけないということ。
ところがある日、
オーストラリアに住む現在のこの屋敷の正式な主から、
一家に会いたいという手紙が届いて
彼らは大慌てに……。

シリーズ各巻で、
外からの問題が発生してはそれを乗り越えて行くんですが、
その間ずっと、かれら自身の問題も起こりつづけます。
それぞれ個性溢れる人形同士の関係の面白さ、
人形でありながら「生きて」いることの苦しみ。
はらはらしたり胸をいためたりしながら
夢中になって読みきってしまいました。

スポンサーサイト
 2016_07_24




「黒馬物語」シュウエル

この作品は、
「ブラック・ビューティ」と呼ばれた
一頭の馬の物語です。
舞台は19世紀のイギリス。
まだ荷馬車や辻馬車、乗り合い馬車などが
交通のおもな手段だったころです。

物語の第一部は、
ブラック・ビューティが生まれ育った牧場から始まります。
母馬と共に暮し牧場を駆け回った子馬時代から、
最初のお屋敷での馬のことを良く知っている人間たちに囲まれて、
愛された幸せな時代の終りまでが
ブラック・ビューティ自身の視点で語られます。

第二部、第三部からは、
ブラック・ビューティの苦難がはじまります。
馬をただの道具としか見ていない主人や
馬について無知な主人などの元を転々とすることになるのです。
ブラック・ビューティは、
かつて見たことのある哀れな姿の馬たちの境遇を
身をもって体験することになるのでした。
かつてお屋敷で同じうまやにいた
ジンジャーという馬の哀しい末路も見てしまいます。

そして、第四部、
ブラック・ビューティに再びよい主人がついてくれるのでしょうか。
じっくりと読み応えのある動物文学の一冊です。

作者アンナ・シュウエルは19世紀のイギリスの作家。
古い時代のイギリスの、
しかも馬周辺の物語なので、
ちょっと分らない言葉なども出て来るかも知れません。
わからないものが登場する、
というのもある意味楽しみの一つではありますが、
そこがひっかかるというタイプもあるかと思います。
文園社より出ている「黒馬物語 BLACK BEAUTY」という絵本。
ストーリー自体はあらすじを追う程度のものですが、
当時の時代背景や馬車、馬具などが
写真やイラストで詳しく説明されているので、
この絵本もとても面白く読めるのでおすすめです。

 2016_07_24




「時の町の伝説」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

1939年、
ヴィヴィアン・スミスは次第に激しくなる戦火を避けて、
親戚の家へ疎開に行くために列車に乗っていました。
列車の中はぎゅうぎゅうに詰められた
疎開する子供たちでいっぱいです。
スミスなんてありきたりな苗字だし、
迎えに来てくれているはずの親戚の人とは今まであった事がありません。
田舎の駅に到着し、必死で親戚の人を探すヴィヴィアンでしたが、
突然見知らぬ男の子に捕まり、
そのまま不思議な場所へ連れて行かれてしまうのです。
そこは「時の町」。
すべての時間と切り離され、すべての歴史を司る不思議な町です。
何故男の子はヴィヴィアンをこんなところへ連れてきたのでしょう。
それは、恐ろしく単純なひとちがいだったのでした。
ヴィヴィアンをさらったのはジョナサンとサムという二人の男の子。
彼らは「時の町」の危機を知り、
大人にナイショで町の危機を救おうと「時の奥方」を探していたのです。

ちょっとこの「時の町」というのがわかりにくくて、
なかなかすんなりと物語に入っていけない
ということもあるかもしれませんが、
一旦物語が転がり出すと、あっちで事件こっちでまた問題がと
どんどん物語がふくらんで行って、楽しませてくれます。

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ、
もしかしたら現在日本で翻訳されている海外のファンタジー作家の
一番人気の人かも知れません。
ジブリアニメ「ハウルの動く城」の原作「魔法使いハウルと火の悪魔」や、
「大魔法使いクレストマンシー」シリーズなど、
もっと100選に相応しい作品があったかも知れませんが、
わたしの超個人的な選として、本書を選ばせていただきました。
疎開ものってそれだけで
私にとって魅力的なんですよね。

 2016_07_24




「銀のシギ」エリナー・ファージョン

イギリスの昔話「トム・ティット・トット」を
ベースにしたおはなしです。
グリムで言えば「ルンペルシュティルツヒェン」
日本で言えば「大工と鬼六」ですね。

きれいな娘だけれども、なまけものでくいしんぼうのポルは、
家族の留守に、お昼のダンプリングを12も食べてしまいます。
かえってきた家族はびっくり。
そこへ通りかかったノーフォークの王様に、
つい見栄を張って糸を12つむいだと言ってしまったのでさあ大変。
ちょうどはたらきもののお后を探していた王様に見初められてしまいました。
そして、この場で12かせの糸を紡がなければならなくなって
途方にくれているポルの前に、いやらしい小鬼が出てきて、
代りに糸を紡いでやると約束します。

さて、ポルがお后になって一年が経ちました。
王様との間に可愛い娘も生まれました。
しかし、また糸を12かせつむがなければならない日がやってきたのでした。
出来なければ首が飛びます。
そしてそこにまたあの小鬼がやってきて、
仕事を引き受ける代りに赤ん坊とポルを連れて行くと言い出します。
ただ、自分の名前が当てられたら連れて行かないという約束で。

せっぱつまったポルを助けようと、
姉思いの妹ドルは、
小鬼にばけて秘密の名前をさぐる冒険に出掛けますが。

お茶目な登場人物と愉快な会話、
躍動感のあるストーリーに引き込まれてしまいます。
この物語のヒロインは、ポルの妹のドル。
すばしっこくて賢い女の子です。
昔話をベースにして、
不思議な銀色のシギとドルの物語を織り込んだ幻想的で愉快な作品。

エリナー・ファージョンはわたしにとって
特別な作家の一人。
子供の時に短編集「ムギと王さま」に出会って、
何度も何度も読み返して、
それから、ファージョンの他の本を
手にはいる分はみんな読みふけりました。
なので、
どの作品を選んでも良かったといえば、
よかったんですが、
平成生れのうちの娘たちと甥たちに読み聞かせして
とても喜ばれたものなので、
そうか、現代の子にも
きっちり受ける話なんだなあって実感があったから。
そう、
絵本の読み聞かせに飽きたわたしは、
長編の児童文学を何回かに分けて
子供に読み聞かせるというのに
ハマった時期があったのでした。

 2016_07_24




「魔女とふたりのケイト」K・M・ブリッグズ

17世紀のスコットランドとイギリスを舞台にした、
歴史小説のような味わいのあるファンタジーです。

領主アンドリューが再婚して、
領主の娘の美しいキャサリンと野育ちのケイトは姉妹となります。
しかし実は
ケイトの母、領主の再婚相手のグリゼルは魔女だったのです。
グリゼルは、継子キャサリンがケイトよりも上品で美しいのをねたみ、
事あるごとに陰湿ないじめを繰り返します。
魔女の血を疎ましく思いながらも母を慕うケイトですが、
本当の姉妹のように仲の良いキャサリンを守る決心をします。
しかし領主が戦に出征中、
とうとうキャサリンに恐るべき罠がしかけられ……。

小学校高学年から中学生ぐらい向けでしょうか。
「魔女」、しかも「悪い魔女」が登場するんですが、
この魔女は人間臭いんです。
魔法を使ったり箒で空を飛んだりする代りに
他人への嫉妬、ねたみを原動力に策を練り、呪いをかけ、
じわじわと落としいれていくんですね。
キャサリンにかけられた呪いのシーンは戦慄ものでした。

作者K・M・ブリッグズはキャサリン・M・ブリッグズ。
イギリスの民俗学、妖精関係の第一人者です。
きっとベースに収集してきたイギリスの魔女の伝承が
生かされてるんでしょうね。
他に、屋敷ようせいを描いた「妖精ディックのたたかい」もあって、
こちらもおすすめの本です。

 2016_07_24




07  « 2016_08 »  09

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

プロフィール

Sima

Author:Sima
わたしが超個人的におすすめする児童文学100選
是非コメントください。
よろしくお願いします。

カテゴリ

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

ランキング




PAGE
TOP.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。